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名曲紹介

:Max Reger

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第53曲目 バッハの主題による変奏曲とフーガ

第53曲目は、Max Regerのバッハの主題による変奏曲とフーガ(Variations and Fugue on a Theme of Bach)です。作曲は1904年。op81。

Max Reger
生年月日 1873/3/19-1916/5/11

ではこの曲をお聴きください。(公式チャンネルではありません)

およそ35分のレーガーワールド。インプロビゼーションのほうがまだ楽というか、これを正確に覚えること自体が至難な技ではないか、という(巨大で捉えどころのない)曲です。

1973年にカーネギーホールで本曲を演奏直前のルドルフ・ゼルキンに関する記事をアーカイブで読みましたが、やはりこの巨大で難解な曲は、当時も国際的な名ピアニストが演奏を披露する機会がほとんどなかったようです。たしかにこの曲は勇気いりますね(笑)。ゼルキンにレーガーを教えたのが作曲の師でもあるアルノルト・シェーンベルグで、ゼルキンは13歳の頃にはレーガーのピアノ協奏曲を練習して(モノにして) いたそうです。

シェーンベルグはレーガーのことを1922年に作曲家(であり義兄)のツェムリンスキーに宛てた書簡で「天才、(でもその才能がまだ)人々にクリアでない(知られていない)」と評しています。この書簡には度々レーガーの名が登場し、(シェーンベルグが送る)リヒャルト・シュトラウスやマーラーへのものと同等のリスペクトを感じさせる内容となっていたそうです。

ゼルキンは16歳の頃からこの難解な「バッハの主題による変奏曲とフーガ(Variations and Fugue on a Theme of Bach)」を演奏していたそうで、「大好きな曲です。はじめ(のパート)から好き。みなさんは難解だというけれど、シンプルで、直情的です。」とのことですから、並の感性ではないですね。作曲者であるレーガーもさぞや喜んでいることでしょう。

また、この曲はタイトル通りバッハへの尊敬の念が込められているとも言われていますが、ゼルキン自身は「バッハの要素はほとんどなく幻想曲的な変奏の連続で、最後のフーガのパートも3つの要素が並んでいますが、分厚いようでそうではありません」と語っていました。

つまらないサイトを見るより本人に聞け!ってやつですね(笑)。またいつの曲目にかレーガーワールドに招待したいと思います。

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