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和声学

:カデンツ(終止形)

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和声 その進行と終止を学ぼう

前ページでは、トニック(T:主和音)は両ドミナント(DとS)へ、サブドミナント(S)は主和音(T)および属和音(D)へ、ドミナントは主和音(T)のみに進み、副三和音もT・D・Sの機能を有している・・・ということを学びました。

トニック、サブドミナント、ドミナントの分類
トニック、サブドミナント、ドミナントの分類

楽典的には、トニカ、ドミナント、サブドミナントの理想的な組合わせをカデンツ終止形)と呼んでいますが、その主な組み合わせをいくつか紹介してみましょう。(終止形に関する詳細は別ページ)。

主要三和音(および代用和音)による3種類のコード進行
T-D-T
トニカからドミナントへ進行し再びトニカに帰結する進行(I-V-I)。 正格カデンツ(正格終止)と呼ばれています。ドミナントがセブンスコード(四和音)になるとさらに終止感が強まります。
T-S-T トニカからサブドミナントへ進行し再びトニカに帰結する進行 (I-IV-I)。変格カデンツ(変格終止)と呼ばれています。正格に比べると、柔らかく女性的な進行。古くはミサやレクイエムにおける終止形として必ず用いられていたためにアーメン終止とも呼ばれました。
T-S-D-T
トニカからサブドミナントへ進行しドミナントを経由して再びトニカに帰結する進行(I-IV-V-I)で複合カデンツと呼ばれています。副三和音は代理コードとも呼ばれ、主要三和音と同じような働きをしますが、代理コードを使用した進行にはT-II(S)-D-Tなどがあります。また、T-S-D-T(I)ではなく、T-S-D-T(VI)やT-S-D-T(III)のように副三和音のトニックで終止することは偽終止(ぎしゅうし)とも呼ばれています。

主要三和音による三つのコード進行はロマン派(18世紀)の頃までは、楽曲やフレーズの終わり(区切り)に必ず挿入された、いわば決まり文句のようなものでした。前述の終止形という呼び名はその名残です。しかしたとえば、正格カデンツをハ長調に置き換えてみるとC-G-Cという和音進行になりますが、このコード進行だけで曲を作りなさいという意味ではありません。複合カデンツであるT-S-D-Tの解説にもありますように、副三和音におけるトニック、サブドミナント、ドミナントの分類も覚え、いわゆる代理コードなども織り交ぜながら、和音の組み合わせを拡大し、心に響く和声を構築していきましょう。

詰め込みすぎるとよくありませんので、とりあえず次に進みましょう。終止形に関する詳細はこちらで紹介していますのでもっと深めたい方は長いですがどうぞご覧ください。

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