パッサカリアで有名なジャン・バティスト・リュリはフランスのルイ14世統治下の王室音楽総監督兼作曲家。
生没年 | 1632-1687 |
---|---|
代表作 | 「アティス」「ローラン」「アルミッド」 |
特徴 | パッサカリア 劇画 弦楽四部 宮廷音楽 |
ジャン=バティスト=リュリの音楽は劇画的でとても人気があります。それでは「アルミッド」よりPassacaglia(パッサカリア)をお聴きください。
リュリは弦楽四部を巧みに操り、太い和音と真摯に追求した旋律が織りなす和声は劇的なものでしたが、近現代の管弦楽法の観点からすると平凡なものであったともいえます。
リュリは職務柄、50梃(ちょう)の弦楽器、6本のフルート、4本のオーボエ、8本のトランペット、いくつかのティンパニを集めることも可能であったそうですが、功績としては弦楽四部を前面に押し出したことでしょう。
パッサカリアはポリフォニー様式の楽曲で、主題が提示された後に複数回の変奏が続き、その各変奏ごとに異なる動機が組み合わさり特徴づけられます、ブラームスが交響曲第四番の最終楽章に導入したことでも知られていますが、ロマン派から現代音楽に至るまで、パッサカリアが取り上げられることは非常に稀でした。
先ほどの曲「Passacaglia(パッサカリア)」のバスのパートを注意深く聴いてみましょう。バスはG・F・Eb・Dの繰り返しにより構成されています。これがパッサカリアの特徴でもある固執低音(バッソ・オスティナート)なのですが、転調を含む調性音楽にはあまり適さなかったということも、後続の巨匠たちによって取り入れられなかった理由の一つと言われています。「足かせ」になってしまったのですね。
アラン・ルヴィエ「オーケストラ」
アンドレ・オデール「音楽の形式」
オリヴィエ・アラン「和声の歴史」