実践基礎:スケール編の第4回目はオリエンタル音階です。
オリエンタル・スケールとは中近東でよく用いられている音階で、アラブではマカーム・ナワサルと呼ばれています。調性感があり扱いやすい音階です。スケールの決定には器楽の構造に大きく左右されますが、中近東というヨーロッパの入り口まで含んだ地域で良く使われてきたという事実が面白いですね。場所的に「なるほどな」と思えるから不思議です。民族っぽくもあり、また洗練された感も強い美しいスケールです。
特徴は1オクターブ内に4つの半音程があるということです。
オリエンタル音階 C D Eb F# G Ab B
それでは自作の「Dracula Castle」という曲の基礎実践用編曲バージョンをお聴き下さい。
弦楽器1種類だけでも、反進行などを上手に使い分けて和声・旋律を構築していけば、曲作りは可能です。音のうねりを生み出すのは簡単ではないですが、たとえばマーラーの交響曲のように、どこか重さを感じるような曲にも参考になる箇所がありますので、様々な楽曲を聴いてセンスを身につけていくようにしましょう。
反進行
マカームというのはアラブの世界において「モード:旋法」という意味です。教会旋法のページでも話しましたが、モードやスケールと調性に関しては柔軟に考えることが重要です。モードらしくダラダラと長い曲を作っても良いですし、またメリハリをつけて調性感を前面に出しても構いません。
5オクターブ下降する
では改めてスケール部分をお聞きください。
ブラームスのような完璧主義者でも「大学祝典序曲」などで、ジェットコースターのようにスケール・モード全開の時があります。みなさんも"すでにあるスケール"を用いるのですから、なおさらのこと思いっきり曲中に組み込んでいきましょう。
総合作曲講座でも次の楽曲のようなアラビア音階を用いた曲を紹介していますので興味のある方はどうぞ。
階調の変化により聴き手の心は揺れ動きます。 心理の特性について学んでみましょう。 メンタル・アカウンティング / ヒューリスティック / 保有効果 / プロスペクト理論 / フレーミング効果