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楽器と演奏

:オーケストラの編成

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演奏者のステージ上の配置

ここまでクラシックにおける各楽器の特徴をみてきましたが、実際のステージ上の配置はどのようになるのでしょうか。下図は対向配置とよばれるスタンダードな並びです。

オーケストラの対向配置
オーケストラの対向配置

コンサートホールのステージにより変わってきますが、通常はもっとフラットな配置で密集していますから、座る場所によっては違う楽器の人が真横にいる場合もあるでしょう。ヴァイオリンは第1がメロディ、第2がリズム・伴奏というケースが多いようですが、ステレオタイプの曲ばかり書く必要はありません。巨匠たちもこのような編成・配置を手中に収めながら、目を輝かせ、名曲誕生の動機の一つにしたことでしょう。実際に演奏家の人たちを動かせる喜びというのは、DTMで得られる感動の比ではないです。

アラン・ルヴィエの「オーケストラ」には管弦楽法とは、それぞれ固有の音色をもつ楽器の一群を、音響の無数の組み合わせが可能な管弦楽という新たな楽器へと変貌させる技術である。極言すれば、管弦楽法とは、音楽家が二つの異なる楽器をユニゾンで鳴り響かせることにより、新たな音色を創造しようと考えたその日に誕生したといえるのではないだろうか・・・と記されています。楽器をどこにどのように並べるかも管弦楽法(オーケストレーション)の一部なのです。

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古典派時代のオーケストラ

モーツァルトの時代、ザルツブルグの宮廷オーケストラは30名前後、オペラ劇場のオーケストラで50~60名、貴族の館は10数名だったそうです。ただし、1786年にベルリンで行われたヘンデルの「メサイア」の演奏では、ヴァイオリンが78名、コントラバスは15名、全体で188名による大編成だったようです。

音楽の父と言われながら、対位法にとどまったとも言われるバッハが20人以上の演奏家を掌中におさめたことは一度もなかったそうです。その反面前述のヘンデルはロンドンの宮廷の職務のおかげで、大編成の管弦楽団の経験を積むことができたのです。しかしその豪奢な音楽の中で、対位法的貧弱さも指摘されていますから、どちらが優れているかは一概には判断がつきません。環境が楽団を大規模化し、その編成・配置も変化させていったことは事実ですし、間違いなく音響学は著しい進化を遂げた筈ですが、作曲家がより自由を与えられていったことイコール音楽性が向上したと言うのは早計でしょう。

21世紀型の配置は、対向配置を基本形にしながら皆さんが考えてみて下さい。いろいろな楽器にふれ、実際に音を聴いて、皆さん独自の管弦楽法を考えてみるのも面白いと思います。

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