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実践基礎:スケール編

:メジャースケール

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イオニアン=メジャースケール

ここまではペンタトニックスケールや民族系のスケールを学んできましたが、今回からは基本的なスケールを理論を加味しながら学んでいきましょう。第9回目にあたる今回はメジャー・スケールです。チャーチモード的にはイオニアンスケールと呼ばれています。

長音階ですので並びは覚えていると思います。各音は全全半全全全半というピッチ間隔でした。明るく、最後の導音の効果もあって終止感も強く、スケールにおける王様ともいえます。音階と調のセクションには教会旋法のまとめページがありますのでそちらも合わせてお読みください。

長音階の並び ハ長調
長音階の並び(ハ長調) 

イオニアン・スケール
  C   D   E F   G   A   B
Cイオニアン・スケール
(メジャー・スケール)
         

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スケール上のセブンスコード

スケール上に構成される四和音は以下のようになります。

セブンス
スケール上に構成される四和音(セブンスコード)

和声学のセクションでも紹介している下記のテンション表を見てみると分かりますが、Cメジャー(Cイオニアン)スケールにおけるF音はアボイドノートと言って、音を目立たせると響きが濁ります。セブンスコード上で安全なのはそのFを半音上げた音階であるリディアンスケールを用いることです。

Cメジャー・キー(ハ長調)におけるアボイドノートとアヴェイラブル・テンション
コード アボイド テンションとして利用可能な音
(アヴェイラブル・テンション)
Cmaj7
イオニアン
ファ(音階音の4・11番目) (9th)、(13th)
Dm7
ドリアン
シ(6・13番目) (9th)、(11th)
Em7
フリギアン
ファ・シ(2・9番目、6・13番目) (11th)
Fmaj7
リディアン
なし (9th)、(#11th)、(13th)
G7
ミクソリディアン
ド(4・11番目) (9th)、(13th)
Am7
エオリアン
ファ(6・13番目) (9th)、(11th)
Bm7(b5)
ロクリアン
ド(2.・9番目) (11th)、(b13)

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イオニアン・スケールとリディアン・スケール
  C   D   E F   G   A   B
Cイオニアン・スケール          
Cリディアン・スケール          

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スケール作曲法とは

様々なスケールを覚えてそれを作曲に活かすには、まずスケールの持つ各音のピッチを知ることが必要です。ドレミファソラシドで覚えるのではなく音程で覚えます。そうしないとキーが変わるだけで対応できなくなってしまいます。チャーチモードの覚え方で誤解している方もおられますが、各音の並びに意味があります。

次にそのスケール上で形成される3和音4和音(セブンス・コード)を考えます。メジャースケールの場合は簡単ですが、先に紹介したエスニック系や今後紹介するスケールのなかには、馴染みのないコードが形成されることがありますが、時にオミットした(構成音を省略した)2和音という形で捉えたりしながら、なんとか進行感・終止感を出していきます。

そして最後にテンション音も考慮しながらメロディを生み出していきます。例えば、Cmaj7でのアボイドノートがFであってCmajキー全体で使用を避けるということではありません。また、CミクソリディアンスケールのG7コードのように、スケール音では構成されないコードでも、テンション音の関係で使用できるという逆のケースもあります。このような感じで理論的に覚えることもたくさんありますが、これは長く音楽に接していけば自然に身につくものです。むしろ音楽的センス、つまりは理論を抜きにしても「次の音」が自然に聞こえてくる状態が理想でしょう。

各メジャー・スケール上の3和音
  I II III IV V VI VII
Cメジャーキー C Dm Em F G Am Bm(b5)
D D Em F#m G A Bm C#m(b5)
E E F#m G#m A B C#m D#m(b5)
F F Gm Am Bb C Dm Em(b5)
G G Am Bm C D Em F#m(b5)
A A Bm C#m D E F#m G#m(b5)
B B C#m D#m E F# G#m A#m(b5)
Db Db Ebm Fm Gb Ab Bbm Cm(b5)
Eb Eb Fm Gm Ab Bb Cm Dm(b5)
Gb Gb Abm Bbm Cb Db Ebm Fm(b5)
Ab Ab Bbm Cm Db Eb Fm Gm(b5)
Bb Bb Cm Dm Eb F Gm Am(b5)

各メジャー・スケール上の3和音 クリックで拡大

おまけですが上表のように、キーを決めたら音階上の三和音や四和音を考えることです。不慣れな方は、音階上に構成される和音をメモに手書きして横に置きながら作曲することが好ましいです。このようにすれば初学者も作曲上の迷いが半減する筈です。だいたい5音くらいあると動機になりますので、巨匠たちもひとつのスケールから様々な名曲を導き出したともいえます(それは交響曲でさえもです)。完成までのどこかの過程にこのページで紹介しているような方法が組み込まれているかもしれません。

次ページ以降もスケール上に形成される和音を覚えながら、サンプル曲ものせていきますので、少しずつ各スケールの特徴を覚え、知識を有機的に結び付けていってください。

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