第1回目が中国、第2回目が軽快なギターサウンドを紹介しましたが、一般の方が両曲を聴いても構成音が全く同じだとは気づかなかったと思います。音の組み合わせによる可能性は無限大だということですね。
実践基礎:スケール編の第3回目はインドの音階です。ここまではペンタトニックスケールと言う5音音階でしたが、今回は通常の7音音階です。マールワー・タートという、なんとも特殊な並びの音階です。B・C・Dbと半音ごとに3つ連続で音が並んでいるのがお分かりでしょうか。7種類ある教会旋法(チャーチモード)ではこういった並びの音階はありませんが、オリエンタル音階やスパニッシュ・スケールという8音構成の音階などで見られることがあります。
マールワー・タート C Db E F# G A B
それでは、自作の「Bond of India」という曲の基礎実践用編曲バージョンをお聴き下さい。
インドの音楽はオーケストレーションというよりは、スケールの構成音を散らしたメロディ+リズムというシンプルな曲が多いようです。長い弦楽器であるシタールと、可愛らしい太鼓であるタブラのコンビネーションにより曲を構築していきます。
スケール部分のみを聴いてみましょう。
そもそもインド音楽は近現代の調性が定まる遥か前に起源をみる音楽ですので、そのスケールを現代曲で用いる時は、少し派手めに旋律を考えるのもよいでしょう。順次進行よりも跳躍進行を基本にすると良いと思います。
前述のB・C・Dbという半音の並びは最後の勢いよく終わる部分で用いてみました。このように半音というピッチが2つ並ぶ個所などでは、時に装飾的な役割もあるでしょうが、勢いを与えるための音として用いてみるのも良いかもしれません。
ターラと呼ばれるインドの複雑なリズム理論は120ものパターンがあり、さらにそれを様々な法則に適用していくそうです。ですからインド音楽などのテイストを出したい時は、止まらず、一定になりすぎずという緩急が必要で、バスやスネアを規則的に叩くような表現はNGです。
階調の変化により聴き手の心は揺れ動きます。 心理の特性について学んでみましょう。 メンタル・アカウンティング / ヒューリスティック / 保有効果 / プロスペクト理論 / フレーミング効果