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楽器と演奏

:クラシックの金管楽器

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クラシックの金管楽器

金管楽器は弦楽器や木管楽器にはない強烈な音勢を持ち、ステージ後方からオーケストラに活力を与えます。と同時に、実に繊細で内省的な音作りも可能ですので、深い味わいを秘めた楽器群とも申せましょう。

楽器名 特徴
トランペット
モーツァルトの時代はメカニズム上は自然倍音しか出せなかったようで、リズム隊として活躍していたそうです。音域のかぶるホルンとの決定的な違いは"貫通力"と申せましょうか。様々な管の響きの中にあっても、このトランペットの音色だけはすべてを突っ切り、耳元へ魅力的な音色を届けてくれます。これは移調楽器の特徴でもありますが、トランペットも一般的なB管をはじめ、クラシックで活躍するC管、D管と管の種類が様々です。演奏上はタンギング(舌の動き)が肝となるそうです。
ホルン
ホルンと聞いて今皆さんが想像している渦巻き状の楽器は正式にはフレンチホルンと呼ばれています(イングリッシュホルンはオーボエの仲間で木管楽器)。B管と4度低いF管のシングルホルン、そのFとB音を切り替えられるダブルホルンとがあります。現在のようなヴァルヴ構造が無かった時代(自然倍音のみ発音が可能なナチュラルホルン)の名残として、ベル(朝顔)の中に指を入れて音高・音質を変えるストップ奏法というものがあります。ナチュラルホルンを好んだブラームスのホルン三重奏曲(op40)は超名曲ですね。ホルン、ヴァイオリン、ピアノが見事に溶け合いながら内省的な美旋律を奏でます。ホルンの自然な音色はオーケストレーションにおける一つの武器とも言えるでしょう。
トロンボーン
トロンボーンは勇壮さの中にも体温を感じさせてくれる楽器です。長い管を押し引きしたり、息の強弱でも音が変わります。音域、声部別に数種類の(ピッコロ、ソプラノ・アルト)トロンボーンがありますが、一般的にトロンボーンといえばテナー・トロンボーンを指します。これも移調楽器でB管が主流です。トランペットやホルンと同様にヴァルヴ式のトロンボーンが活躍した時期もありました。
テューバ
一般的にテューバといえばコントラバス・テューバを指します。テューバは、オーケストラに躯体の大きさ通りの迫力を加えてくれますが、決して機械的ではなく、一音ごとの苦しそうなヴィヴラートが、有機的にサウンドと私たちのこころを繋いでくれます。これも移調楽器でB管とC管の2種類のテューバがあります。その他バス・テューバ、テナー・テューバもありE管、F管のものも用意されています。音が高くなる分だけ管も短くなります。

金管楽器(テューバ、トロンボーン、ホルン、トランペット)の音域
クラシックの金管楽器の音域

弦楽器木管楽器、そして今回の金管楽器とさらりと紹介してきましたが、ほんの少し各楽器の知識を深めるだけでも、いろいろな音色がしっかりと耳に届くようになります。学んだだけ作曲活動における曲想が広がっていくことでしょう。こだわりとプライド、なにより"良い耳"を持って、ある程度までは妥協なきオーケストレーションをしていきましょう。

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