今回は倒置についてです。接続詞の頁で紹介したno sooner thanを使用した例を見てみましょう。
Mozart had no sooner appeared on the stage than the audience started giving a stormy applause.
上記例文のno soonerを文頭にもってくると以下のような倒置が起こります。
No sooner had Mozart appeared on the stage than the audience started giving a stormy applause.
モーツアルトが登場するやいなや観衆は嵐のような喝采をはじめた。
基本的には倒置とは疑問文の並びになるということです。
no sooner ~ than ... | ~するとすぐに... ※scarcely ~ before ...には「するかしないうちに」という意味もあります。 |
---|---|
hardly ~ when ... | |
scarcely ~ before ... |
表現そのものが難しいのに加えて、倒置が起きるとさらに複雑に感じてしまうので上記表現は暗記してしまいましょう。
仮定法でifが省略されると倒置が起こります。
Had I met Brahms, I would have asked him to teach me composition.
もしブラームスに会っていたなら作曲を教えてもらうようにお願いしていたのに。
原文は以下です。
If I had met Brahms, I would have asked him to teach me composition.
only after、not untilは「~してはじめて...」という意味でどちらも文頭にくると倒置が起こりますが、あくまで主節が倒置するということに注意です。フライングで副詞節内で倒置を行わないようにしましょう。
Not until I listened to Symphony No.4, did I understand his work more deeply.
交響曲第4番を聴いてはじめて彼の作品がより深く理解することが出来た。
あわててdid I listenedとしないように注意です。
以下の否定表現は強調のために文頭にくると、主語と動詞に倒置が起こります。
Rarely have I met such a capable musician.
こんな有能な音楽家に出会うことは滅多にありません(でした)。
Hardly | ![]() |
~ほとんど...ない |
---|---|---|
Little | ||
Never | ||
Rarely | ||
Scarcely | ||
Seldom |
多くの文法書では倒置を最後のほうで扱っています。そこでこんなにややこしい構文を見せられると後味が悪いというか、嫌になってしまいますよね。しかしこれも英語のもつ特徴の一つですので少しでもインプットしておきましょう。