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音源レビュー

:オーケストラル・エッセンシャルズ

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ORCHESTRAL ESSENTIALS

ソフトウェア音源を使用すると、デスクトップ環境にて疑似的にバンドサウンドや、果てはオーケストラ編成まで組めるということは各ページで紹介済みですが、今回紹介する音源名はズバリ「ORCHESTRAL ESSENTIALS」です。意訳するならば「オーケストラの良いとこどり」。

名前とは裏腹にこの音源はシネマティック音源に属していますので、純音楽というか、みなさんが想像するようなオーケストラの音とは違います。繊細な表現は少々難しいと思ってください。音圧や瞬間的な勢い、長めのエフェクトでサウンドにお化粧をしていくための音源です。それでは各音源を見ていきましょう。

Orchestral Essentialsのメインライブラリ(主な音源)
ライブラリ名 特長 音源数
Full Orchestra シネマティックなダイナミクスをサウンドに付加。小回りはあまり効かないようで品の無い音です。詳細は本ページに別記。 7
String Ensemble 弦楽器のライブラリです。こちらも詳細はこのページに別記しています。 7
Brass Ensemble 金管楽器です。トランペットの音圧がありながらも枯れた感じのサウンドはそこそこ良いですが、他の音源は今一つです。本ページで聴ける自作曲「興亡夢幻」のメロディ部分はこのライブラリのトランペットです。 8
Woodwind Ensemble 木管楽器のライブラリ。あまりパッとしません。 7
Percussion 太鼓。かなり良さげですが、エフェクトとしてはかゆいところに手が届かない感じです。音源全体的にそうですがキレが今一つな印象。 10
Keyboards & Harp ピアノの音はとても良いです。ハープも良いですが硬質な音なので、たわんだ感じをだしたいなら弦楽器ライブラリのピチカートと合わせたりすると良いでしょう。 4
Sound Design シネマティックなエフェクト(効果音)ライブラリ。本ページ最後のメドレー曲で聴けます。Full Orchestra、String Ensembleに並ぶ本音源の目玉の一つです。数が少ないですがスケッチとしてはこういった音は必要かもしれません。 8
Choir 聖歌隊。のっぺりとしてますが好きな人には嬉しい音源でしょう。 1
Bonus Instruments おまけの音源。1回確認したらその後はほとんど使いません。 7

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オーケストラとしての音の評価

オーケストラのメインになる弦楽器は「Strings Arco」、「Strings Staccato」、「Strings Tremolo」、「Strings Pizzicato」の4種類の音源が入っています。基本的には「Strings Arco」と「Strings Staccato」の組み合わせで以下のような曲の音源として使用します。Arcoのほうは良い音なのですがアタックが弱く、少なくても4分音符くらいの音価を与えないと貧弱ですのでstaccatoとの併用が鍵となります。トレモロはいまひとつという印象ですが、ピチカートの音は綺麗で太く、雅楽などでも代用できそうです。

金管楽器・木管楽器はキレが今一つで小回りは効かない印象ですので、オーケストラがやりたい方は別途East West社のSymphonic Orchestraなどを導入すると良いでしょう。

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メインライブラリFull Orchestra

メインライブラリ(この音源のウリ)のFull OrchestraにはAction、Suspense、Epic、Dark Orchestra、Long Chords、Warm Sustains、Short Chordsという7種類の音源があり、編曲中のサウンドに、これらの音源をを付け足して厚みを増していくような感じになります。こちらもAction=Staccato、Suspense=Arcoという感じで実際使えるのはこの2種類でしょう。以下の楽曲のように純音楽から少し離れたライトな感じの大河ドラマ風サウンドには厚みを加えてくれますので最適ではないでしょうか。

シネマティック音源では大味な曲しか作れません。ブラームスの弦楽四重奏の再現などは無理です。譜面を打ち込んでもこの音源では違う曲になってしまいます。ドルチェ・カンタービレですとか、こまかな曲想を表現するには不向きでしょう。しかしながら上のサンプル曲のように、大味な金管楽器でも、シネマティックなリズム・音圧にのせていけばその組み合わせ次第で、感動を生み出すことも可能です。

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その他の音源

クワイア(聖歌隊)やハープの音源も入っていますし、効果音っぽい音源もそこそこの種類が入っています。実際に有名な映画でもOrchestral Essentialsに入っているものと同じ音源が使用されているのを耳にしたこともあります。以下の曲のように使いどころをおさえればジワッと高揚感を付加できます。

正直なところこの音源を使って多少ハッタリでも耳につくような曲を作れない人には、他の高価な音源を使っても「まっとうなオーケストレーション」なんて無理な話です。2作目にあたるOrchestral Essentials 2も発売されましたが本音源はかなり広範囲をカバーできる気がしますので訓練用に良いのではないでしょうか。ちなみにドングルは必要ありませんのでその点も好印象です。

CRYPTON ORCHESTRAL ESSENTIALS フルオーケストラ ソフト音源

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