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実践基礎:スケール編

:ジプシー・スケール

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ジプシー音階

実践基礎:スケール編の第7回目はジプシー・スケールです。ダブル・ハーモニック・スケール、ペルシアン・スケールとも呼ばれますが、参考書により記述は一定しませんので、エスニック系のスケールはピッチ自体をしっかりと覚えると良いでしょう。

実はこのスケールもフリジアン・ドミナント・スケールに似ていまして、最後のBbをBナチュラルに戻すと、ジプシー・スケールになります。さらなる"まとめ"という意味でも連続で紹介しておきましょう。

ジプシー・スケール
ジプシー・スケール C Db E F G Ab B

ジプシー・スケールとフリジアン・ドミナント・スケール
  C   D   E F   G   A   B
ジプシー・スケール          
ハーモニック・マイナー
パーフェクト5thビロウ
(フリジアン・ドミナント)
         

ジプシー・スケールとフリジアン・ドミナント・スケール クリックで拡大

似ていると言っても、全+半音というピッチが2か所もあると、さすがに調性感は微妙になります。ですので(歴史的にはこちらのほうが正解とも言えますが)、モード的にダラダラと民族楽器を奏でるところから曲作りを始めてみましょう。

ジプシー・スケール
ジプシー・スケールをモード的に演奏

まずはスケール音のみをお聴き下さい。

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扱い難いスケールも多い

前回までは現代的に調性感を出した作編曲を行いましたので、楽しく聴いて頂けたかと思いますが、本来はインドの音階も、オリエンタル音階も、スペインの音階もこんな感じで延々と(モード的に)演奏しますので退屈といえば退屈なのです。やはり長音階(メジャー・スケール)と自然短音階(ナチュラル・マイナー・スケール)がボスであることは肝に銘じておく必要があるでしょう。

それでは自作の「Gypsyボレロ」という曲をお聴き下さい。

ピッチが歪(いびつ)であったり、単純に構成音がビミョーであったりと、その理由は様々ですが、スケール上に調性感を見い出しにくいスケールというのもあるのです。そういったスケールで無理に曲を作ろうとすると、時に大げさな編曲になってしまうことがあります。

作曲というのも微妙なものでして、あまり"脂っぽく"なりますと耳に馴染まないのです。絵画でも同じです。例えば絵が二枚あって、レントゲンで見ると同じように健全で質の伴ったコンポジションなのですが、一枚はどうもコッテリしすぎていて愛着がわかないということがあります。皆さんも勉強を重ねて審美力をつけていくと、"侘び・寂び"への理解がさらに向上されていくと思います。この曲も悪くは無いのですが、あまり仰々しいと使い道が限定されてしまいます。

上の曲は長めのバージョンです。曲が長くなると少しスキルが必要になってきますが、民族音楽は和声というよりはリズムや音価への工夫が大切です。4・4・4・4だったところを31・31・31・31と変えるだけでも活力がみなぎってきます。

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