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第72夜は、ロッシーニの「泥棒かささぎ(La gazza ladra)」です。発表は1817年。
生年月日 | 1792/2/29 |
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ではこの素晴らしい曲をお聴きください。
こちらの演奏は1991年のウィーンフィルによるもので指揮はクラウディオ・アバド。
ロッシーニのウィリアム・テルの序曲なんかは、当たり前の名曲すぎて、聴かなくなる類の曲ですが(結構そういう曲がありますね。。。)、この泥棒かささぎなどは、名曲の影に埋もれて、あまり知られていない佳曲です(日本での初演は2008年だとか)。
この曲が一部で有名になったとすれば、村上春樹さんが1994年に発表した「ねじまき鳥クロニクル」の冒頭にアバド指揮の同曲が、スパゲッティやら、謎の電話やらと共に並べられれ描写されています。
村上さんは構成大家のドストエフスキーが好きな作家だと語っていましたが、日本人には超えられない、構成のスケールというのが文学の世界にもあると思います。ノーベル文学賞云々抜きにしても、今後日本からすごい作家が現れるとしたら、おそらく古典派の音楽なんかにもヒントがあると思うのですが、なかなか今の日本の表層的な詰め込み教育では、しばらくヒーローの誕生はなさそうですね。
まぁでも、暗いニュースを見ながらパスタを茹でるよりはこんな素敵な曲を聴きながら、茹で上がりをまちたいものです。この序曲はちょうど10分くらいなので、パスタを茹でるタイマーには良いかもしれません(笑)