最後は疑問文に関して説明しながらここまでのことを少し振り返ってみましょう。
みなさんは「モーツアルトはどこで生まれましたか」と英語で言えますか。
Where was Mozart born?
モーツアルトはどこで生まれましたか。
文型からはじまり様々な文法を学んできましたが、上記のような英作文も文法力がないと、一苦労することでしょう。
His mother bore Mozart.
彼の母親はモーツアルトを産んだ。
例えばはじめの例文も文型で考えると、上記のような第3文型の受動態だと理解できます。受動態と能動態の切り替えが出来ましたでしょうか。パッと文型がひらめきましたでしょうか。
では次に「モーツアルトはどこで亡くなりましたか」と英語で言うとどのようになりますでしょうか。
Where did Mozart die?
モーツアルトはどこで亡くなりましたか。
「生まれましたか」の質問ではwasだった部分がdidに変わっていますね。これは主語がモーツアルトの母親からモーツアルト自身に変わったからです。
Did you listened to his new song?
彼の新曲を聴きましたか?
Was your new song listened to?
あなたの新曲は聴かれましたか?
上記のように「あなた」、「あなたの曲」の2通りの主語とともに疑問文も変化します。2番目の例文は受動態の疑問文のため「あなたの新曲を聴いた人」は文中にありません。「モーツアルトを産んだ人」が文中になかった最初の疑問文と同じですね。
疑問文は主語と動作主の見極めがポイントになります。動作主の見極めとは、それが能動態か受動態かという判断です。
相手への問いかけは様々です。先の「○○は~で~しましたか」のようなクイズのようなものばかりではないでしょうし、文法的に正解でも相手に嫌な思いをさせてしまうようではいけません。
いわゆるwhere、when、whyなどの質問よりも、相手を主語にした"確認のような問いかけ"のほうが相手には優しいということです。
Where do you live?
どこに住んでいますか?
Do you live around here?
近くにお住まいですか?
英語で何とか語りかけようすると前者のような質問をしてしまうでしょう。そんな時は一呼吸おいて2番目のような質問を考えてみてください。相手のノリが変わってくるはずです。
相手への気遣いはこれだけでは足りません。こまかなニュアンスを使い分けるためには助動詞のwould、could、should、mightなどの学習も必要になります。
例えば誰かに窓を開けてもらいたい時でも
Will you open the window?
窓を開けてもらえる?
Would you mind opening the window?
窓を開けてもらっても良いですか?
Could you please open the window?
(すみません)窓を開けて頂いてもよろしいでしょうか?
助動詞の使い分け次第でこのような差がでるのですから、マナーとしても文法の学習は必須なのです。
少し文法的な話に戻して間接疑問文を見てみましょう。
I would like you to expound what the composition is.
私はあなたに"構成とは何か"を説明して頂きたいのです。
上記のように"とある疑問・質問"と主語の気持ちなどが結びついた文は間接疑問文と呼ばれています。疑問部分は、
What is the composition?
構成とは何でしょうか?
ですので、間接疑問文に組み込まれるとSV(主語と動詞)が逆になることが分かります。接続詞や関係代名詞、関係副詞の頁も参照しながら慣れていきましょう。
次は主語に関する間違いやすい例文です。
Mr. Terai doesn't know who Haydn is?
テライさんはハイドンが誰だか知りません
ハイドンを主語にしたい場合は上記のようにwhoの後にすぐに続けますが、以下のような例文にすると、何人か存在する中でどの人がハイドンなのかが分からない状況を示すことになります。つまりハイドンという名前は既知だったことになります。
Mr. Terai doesn't know who is Haydn?
テライさんは誰がハイドンだか知りません
語順はとても重要なのです。
基礎30日コースはこれにて終了です。